2012年6月13日水曜日

STY リポート その2

レース中の様子はユーストリームで生中継されており
また、エイド通過タイムや、順位はリアルタイムでアップされているので
携帯で状況がよくわかる仕組みとなっていました。素晴らしい!

スタートしてしばらくは林道を走ります
全体的に速いペースと感じました
マイペースを心がけました
でも心拍は150以上なので想定よりハイペースです

一部も渋滞もありますが、みなさんリラックスした様子です

沢を渡るところも一部は渋滞防止でしっかり橋ができています
コース作りの苦労が忍ばれます

シングルトラックの走れるトレイルが続きます。
天気もよくすごく気持ちよく走れました



このような小さなアップダウンが続きます



この先の給水ポイントでちょっとお水を頂いて
A8 西富士中学校へ向かいます

A8 西富士中学校
ここでは地元の皆さんが盛大な応援で迎えてくれました
人の多さにびっくりでした



13時57分 到着
約27キロを4時間弱
予定より30分早い、ちょっとオーバーペースに感じる
経験的にオーバーペースはその後の筋肉の攣りと
食欲低下を起こすので不安を感じました



ここからA9 本栖湖スポーツセンターまでは
予定では30キロ、約10時間のエイドなしの山岳地帯です。
あらかじめ決めていた量のジェルと水を補給
エイドのバナナとオレンジをたくさん頂き
奥さん持参のレッドブルやおにぎりを補給

ウェアを長袖に着替え、タイツも履きました。
この着替えは気持ち的にリフレッシュするし元気が出ます。

今から思うとこの先の山岳地帯を甘く見ていました
水を1.5ℓしか持たなかったし、重くなるのを嫌っておにぎりなども
持たずに出発したのは失敗でした。

このエイドでスタッフによる装備チェックとドクターチェックがあります
夜間の山岳地帯は気温5度以下とのアナウンスがありました
私は50キロを過ぎると体温調節がうまくいかず
すごく寒さを感じたりするのでダウンベスト、キャップなど装備はしっかり
準備していました。





体調は良好、足なども痛みはなく元気いっぱいで出発

遠くの山が毛無山1800メートル
あの山の向こうまで行きます


しばらく舗装道路を上り、ここから登山道になります。
トレッキングポールを出します

ゆっくりしたスピードでリズムだけ意識して上ります



薄暗くなり、それぞれ夜間装備をします

この辺りから気分が悪くなり、のどの痛みとだるさから風邪をひいてしまったかと
思い込んで落ち込みます。
その後ただの疲労であると分かりました。ホント弱っチーね

この辺りで周りの選手とコミュニケーションをとって少し元気になります
互いに励まし合い、「河口湖で会いましょう」が合い言葉に

ここまでiPhoneの音声コントロールSiri を使い奥さんとメールやりとりを
してました。「あと5キロ」とか「体調良好 トラブルなし」とかですが
この辺りから圏外となり使えなくなりました。


 着替えをするのでピンで留めずに
ゼッケンをゴムで装着しています
裏側に地図を貼って距離や状況を分かる
ようにしました。
奥さんの脱力系イラストがすごく和んで
よかったのですが、
肝心な山岳地帯の地図がざっくりし過ぎで
よくわかりません。
詳細地図も持参してましたが
〇〇岳とか〇〇山などの名称がよく分からず

登っても登っても自分がどこにいるのか
状況が判断できず、あらかじめ地図を読み込む作業をしてなかったは失敗でした。

そのため毛無山を過ぎたと勘違いして
その後の標識で毛無山山頂まで1時間!の看板を見て絶句しました。

すべて私の責任ですが、唯一の給水ポイントも見つけられず、受ける予定の給水を逃しました。

ここまで予想以上の時間がかかり、持参のジェルはほぼ無くなり、水も非常用に用意していたフラスクボトル2本約200ccとなりました。
その時、深夜1時 周りはエマージェンシーシートにくるまって休む選手も多くなりました
自分の判断ではあと1時間位でA9と判断し、水もジェルも問題ないと思い
最後のジェルを摂って、水も飲み気持ちを入れ直しました。

この時の状態は、ふくらはぎとすねの攣りがひどく、ポールを握る指もひどく
攣るようになりました。なるべく心拍を上げないで回復するよう努めました。

A9本栖湖までは下るだけだと思っていたところ、スタッフからA9までは
もう一山越さなくてなならず約2時間かかるとの事
各自の判断でこの場に留まるか行くか判断するように勧められる。

水も食料もないので相当あせりました。
でも冷静に考え、心拍数を120以下でゆっくり動けば
回復しながら進めると判断しました。


            
熊森山の名の通り 熊が爪を研いだ痕を発見
少しテンションがあがる


選手によっては体中に反射材がついていて
モーションキャプチャーみたいな人もいます


毛無山山頂 みんなボーゼンとしています


AM3時8分 A9本栖湖スポーツセンター到着

すごく寒いのに奥さんは外で待っていてくれました
途中でメールが使えなくなったので状況が伝わらず心配をかけました。
この頃からサポートしてもらってるというよりも一緒にレースしてると感じました

私は奥さんに感謝を表したいけど、いっぱいいっぱいで文句言ったりしてました。
ホントだめですね。ごめんちゃい


エイドでは地元の鹿カレーや、かっぱ飯を出してくれますが
食欲が出ず、少し休みました
ふらふらする感じから軽いハンガーノックを起こしたようです
奥さん持参のローストビーフなどを食べていると
食欲が出てきて、カレーもかっぱ飯もたくさん食べました。
えっと思うほど辛かったけど美味しかったー

その後 少し仮眠して元気がでてきました。
アナウンスで、このエイドを5時に出ないと失格ですとあり
バタバタ出発の準備をして5時10分前に出発



この後はゴールまで27キロ 青木ヶ原樹海を通り
小さな山を一つ越えて河口湖まで下ります
UTMFの選手は歩いている人が多く
自分もしばらくはのんびりしてたのですが、よく考えたら
UTMFは制限時間が午後3時 STYは12時!です
残り約20キロだけど上りで時間がかかるとギリです。






スイッチが入りました。
結果はどうあれ力を出し切ろうと思い走りました。
水もジェルもバッチリ補給してここから気持ちよく走れました。
この時はいろんな事を考えたり、時間を計算したりがよくできなくて
ほんとにタイムアウトかと思ってました。





最後の山を下り、河口湖が見えたときにゴールできると、やっと実感しました
その先のコース案内ポランティアの方とちょっと話した時
その方がにっこり笑って言いました
「ここまできたら、この勝負はあなたの勝ちです」


河口湖の湖畔に降りてゴールまで喜びをかみしめて走りました
途中、応援に声をかけてくれたのは、私のトレランの師匠H氏!
その他、トレラン仲間から励まされて元気でました
1年前トレランを始めた時から今までの事を思い出し、もう
涙腺がヤバいっす


ニコニコしてゴールする予定だったのですが
待っててくれた奥さんは泣いてるし
ゴールで迎えてくれた鏑木毅さんに
「おめでとう!冒険しましたね」と声をかけてもらい
なぜか号泣
最後まで力を出し切れたのもうれしかったんですね、今思うと。


説明を追加





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